なぜ「アウトリーチ」と「通信の支援」が必要か

コロナ禍の支援で浮かび上がった社会的に孤立した生活困窮におかれている方々は、通信(電話)が社会的なIDになっているにも関わらず、それを失いやすく、また電話が入り口となっている公的・民間の相談機関にもつながることが難しい状態におかれています。当然、インターネット環境も不安定です。
それと同時に、炊き出しや屋外相談会に来られない/来たくない・シンプルな夜回りなどでは発見できない、不安定な仕事と不安定な住居のまま都市を漂流される方々も増加しています。ネットカフェ等の簡易かつ安価な宿泊施設の発展・日雇いアプリの勃興など、ひとりで「今日」「その日」を暮らすハードルが下がり、逆説的に困窮を訴えるハードルが上がっている現実があります。
以上の状況を発見・解決するための手法解決が急務です。

夜のセーブポイント(アウトリーチ)

現在ネットカフェ・ネットルーム・個室ビデオ店に滞在されている方を対象に、直接定宿への食料のお届けや持ちきれないお荷物のお預かり、オンラインでの弁護士や医師との相談などのサービス提供をおこなっています。
入り口として毎月2回の定期登録会を実施。加えて、そこに来られない方へ出張登録会も随時おこなっています。

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住まいを失っているフードデリバリー従事者へ無料自転車貸し出しプロジェクト(アウトリーチ)

困窮された方が手軽に始められる仕事として、いわゆる「フードデリバリー」に従事される方が増えています。住まいを失った状態でもそうした方々は少なくなく、自転車をめぐるトラブルや事故などでさらに苦境に陥る方もいらっしゃいます。それを防ぐため、自転車の無料提供と保険、必要に応じての食料支援などもおこなっています。

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本事業フジテレビ「ザ・ノンフィクション」で取材されました。詳細はこちら

動画による支援情報発信【生活保護おじさん】(アウトリーチ)

近年、困窮される方の若年化が顕著であり、闇雲なウェブ上での情報展開では必要な方へ支援情報が届きづらくなっています。この課題を解決するため、TikTok・YouTube・Twitter・Instagramの各SNS上で支援情報紹介を目的としたshort動画(アカウント名「生活保護おじさん」)を展開しています。

各SNSへのまとめページはこちら

本事業は複数のメディアで取材されています。一部はこちら(朝日新聞)

せかいビバーク(アウトリーチ&通信事業・公的機関窓口)

今住まいやお金がなくなり、都市の中で身動きがとれなくなった方がその日一泊し、翌日支援へつながることを実現するために「受付用相談アプリ」と「緊急パッケージ」を開発。それを複数の書店や店舗、団体様へ設置していただくプロジェクトです。事業主体を「一般社団法人つくろい東京ファンド」として2021年11月より開始、約1年で設置箇所は都内20カ所・利用は270件以上となっています。トイミッケでは本プロジェクトの企画・分析・アプリ開発部分を担当しています。

サイトはこちら(運営:つくろい東京ファンド)

本事業は複数のメディアで取材されています。一部はこちら(Yahoo! JAPAN SDGs)

ボイスチャット相談システム提供(通信事業)

困窮状態におかれている方が真っ先に失いやすいものが「電話(通信)」です。一方で、公的・民間ひっくるめての相談機関は、まだまだ窓口が「電話」が主になっている現状があります。このミスマッチを解消するため、ブラウザからタップするだけでそのまま無料通話できる「ボイチャ相談」(化)スキームを試験的に運用しています。一部支援団体へ提供中で、2023年内を目標に正式リリースを目指しています。

試験運用中の団体様ページへ(首都圏法律家ネットワーク様)

市民主導による公共FreeWi-Fi設置プロジェクト(通信事業)

困窮状態となり、自分の電話回線が停止に至った時、最後の命綱となるのが街中のFreeWi-Fiです。しかし、多くその役割を担ってきたコンビニ各社が相次いで独自のWi-Fi提供を停止。また、自治体が提供するそれもオリンピック以降縮小傾向にあります。本プロジェクトはこうした状況を少しでも解決するため、市民主導による公共FreeWi-Fi設置を目指します。
本事業主体の「一般社団法人つくろい東京ファンド」のほか、複数の団体と協同し、2020年より屋外相談会でのWi-Fi提供で実施を重ね、2022年より公共性の高い一部施設に常設のFreeWi-Fiを試験的に設置しています。2023年中には正式な支援スキームとしての公開を目指します。

本プロジェクト(関連含む)は複数のメディアで取材されています。一部はこちら(TBSラジオ人権TODAY)